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【ミニインタビュー】2023年度審査員 篠原ともえさん

 2023.05.11

第2回目のインタビューは、メディアでの活動を経て、衣装デザイナー、イラストレーター 、テキスタイルデザイナーとしてご活躍中の篠原ともえさんです。
2022年にデザイン・ディレクションを手掛けた革の着物作品がニューヨーク ADC 賞・東京 ADC 賞を受賞するなど、ワールドワイドに活動される篠原さんの目には、どのような作品が響くのでしょうか。


コピックは洋服のデザインスケッチにも活用


篠原 ともえWebsite / Instagram
デザイナー/アーティスト

1995 年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。メディアでの活動を経て、衣装デザイナー、イラストレーター 、テキスタイルデザイナーとしても活躍。2020 年アートディレクターの池澤樹とともにクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。2022 年デザイン・ディレクションを手掛けた革の着物作品がニューヨーク ADC 賞・東京 ADC 賞を受賞。

 

ーコピックアワード2022の作品で気になるものはありましたか?

作品名:異類
作者名:張依淳


異類」/ 張依淳

イラストレーションではなく、毛糸をコピックで染めていくという発想が面白いです。淡いグラデーションが出ているのもきれいですね。温かみのある世界観で実物に触れてみたくなりました。

 

ー作品を観る際はいつもどのようなところに着目していますか?また、コピックアワード2023ではどのような作品を期待しますか?

新しい視点の構図や絵のタッチにオリジナリティがあるものなど、独自の感性で創作している作品に心が動きますね。また、イラストレーションだけでなく、クラフトにも展開している作品もあるので、自分も作り手として刺激を受けながら審査させていただこうと思っています。

 

ーコピックは学生の時から使っていたそうですね?

子供の頃から絵が好きだったので、高校はデザイン科のあるところへ進学しました。そこではデッサンをはじめ平面構成、グラフィック、写真構図など専門分野を本格的に学ぶことができたんです。教室には創作のための道具が一式揃っていて、そこで出会ったのがコピックシリーズでした。

 

ーその頃コピックを活用した思い出のエピソードはありますか?

特に記憶に残っているのが、建築のエスキースの課題に取り組んだ時です。ペンで描いた建築物をシートでマスキングし、コピックのスプレージョイント(ABS)をエアータンクと繋げてスプレーで塗る作業でした。今だとコンピューターで簡単にできてしまうことを、自分の手の感覚を信じながら集中してやったのを覚えてます。だんだんとグラデーションが仕上がる工程もとても楽しく、塗り直しのきかない一発勝負のように一つの作品を丁寧に創作するプロセスを習得できたのはとても大事な時間でした。デザインをいつかやりたいと夢見る10代の学生だったので、プロのイラストレーターの方はこうして様々な道具を駆使して作品を仕上げているんだ!と興奮しました。16歳の頃すでに歌手デビューしていたのですが、時間がないからと言って課題には手を抜きたくなかったので、たくさんの作品の中で、どうしたら目を引くものになるか、そんなことを意識しながら夢中で取り掛かってましたね。今でも当時制作した課題やコピックで描いたイラストは大切にとっておいています。


10代の頃にコピックで描いたイラストレーション

 

ー今でもデザイン画などにも活用されているのでしょうか?

高校卒業後、ファッションを学ぶため文化女子大学服装学科のデザイン科へ進学しました。ここではイラストの課題が多かったので、コピックにはとてもお世話になりました。この時にかなりの色を買い揃えました。一気に並べると色選びの楽しさもあり、また薄い色のバリエーションも多いので繊細な布の質感を演出できたり、表現の幅も広がりましたね。あと、塗り重ねるごとにムラなく仕上がる感触がとても好きで、デザイン画を描くことに夢中になれたのは、そのおかげもあると思います。今でも多くの色を持ち合わせているので、衣装制作の際のスケッチなどにも活用しています。思いついたときに直感的に色を選び使えるのも気に入っています。


第71回NHK紅白歌合戦水森かおりさん衣装のスケッチもコピックで


壮大な衣装は約3万枚の四角い布パーツを組み合わせ完成

 

ーコピックアワード2023審査員としての意気込み、応募を予定している方へのメッセージをお願いいたします。

情熱を持ってつくられた作品には愛情が宿り、作品そのものが訴えかける、力強いものになります。
自分の手と感性を信じて!とことん制作に没頭してください。
私もみなさんの熱い想いをしっかり感じ取れるよう、感性を研ぎ澄ませ審査に臨ませていただければと思います。
 

ー篠原さん、皆さんへの熱いメッセージありがとうございました!

 

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